AWS請求代行の主なデメリットは、契約するサービスによってRootユーザーの管理、Organizations構成、AWSへの問い合わせ、RI・Savings Plans、無料枠やクレジット、請求条件、解約・乗り換えに制約が生じる可能性があることです。
ただし、すべての請求代行で同じ制約が発生するわけではありません。提供会社やプランごとに条件が異なるため、自社が維持したい運用を先に整理して比較することが重要です。
AWS請求代行のデメリットは、割引率では見えない運用条件にあります。Root、Organizations、AWS Support、RI・Savings Plans、無料枠、請求条件、解約方法を確認し、自社が現在できていることを維持できるか判断しましょう。
空欄を残したまま割引率だけで契約しないことが、請求代行選びで最も重要です。
目次
AWS請求代行にはなぜデメリットがある?
AWS請求代行では、AWSとの支払い関係にAWSパートナーが加わります。そのため、支払いだけでなく、アカウントの所属、請求データ、サポート窓口などが変わる場合があります。
請求書払いと割引だけを見て契約すると、導入後に「この操作ができない」「AWSへ直接問い合わせられない」と気づく可能性があります。基本の仕組みは、AWS請求代行の基本と仕組みをあわせて確認してください。
デメリット1:Rootユーザーの管理や操作が制限される場合がある
請求代行会社やプランによっては、Rootユーザーを利用企業側で保持できない場合や、Root権限が必要な操作を請求代行会社へ依頼する必要があります。
導入前に次を確認します。
- Rootユーザーのメールアドレスと認証情報を誰が管理するか
- Root権限が必要な操作を自社で実行できるか
- 依頼が必要な場合の窓口と対応時間
- 緊急時・解約時に管理を戻す方法
デメリット2:Organizations構成が変わる場合がある
請求を取りまとめるため、請求代行会社が管理するOrganizationへアカウントを移すプランがあります。現在のOrganizations構成をそのまま維持できない場合、SCP、請求管理、RI・Savings Plansの割引共有などへ影響する可能性があります。
複数アカウントを利用している企業は、構成図を用意して次を確認してください。
- 現在のOrganizationを維持できるか
- 管理アカウントを変更する必要があるか
- メンバーアカウントだけを移せるか
- 請求履歴・レポートを事前に保存する必要があるか
請求集約の仕組みとして、AWS Billing Transferのような機能とも混同しやすいです。Billing Transferは請求管理を別Organizationへ寄せる機能であり、請求代行サービスそのものではありません。
デメリット3:AWSへ直接問い合わせできない場合がある
請求代行サービスには、AWS Supportを継続できるものと、パートナー独自のサポートへ切り替わるものがあります。
独自サポートが悪いとは限りませんが、問い合わせがパートナー経由になると、回答までの流れや対応範囲が変わります。現在AWS Supportを利用している場合は、切り替え後の窓口、対応時間、技術者へ直接相談できるかを確認します。
サポートプランの違いや選び方は、AWSサポートプランの解説記事もあわせて参照してください。
デメリット4:RI・Savings Plansの条件が変わる場合がある
RI・Savings Plansを利用している企業は、次の3点を分けて確認します。
- 現在保有しているRI・Savings Plansを切り替え後も利用できるか
- 新しく購入できるか
- 購入費用や適用後の料金が請求代行の割引対象になるか
Organizations構成が変わる場合は、割引共有の対象も確認が必要です。「RI・SPを利用できる」と「RI・SPにも請求代行の割引が付く」は同じ意味ではありません。
デメリット5:無料枠・クレジット・Marketplaceの扱いが異なる
AWSの無料利用枠、プロモーションクレジット、AWS Marketplace利用料などは、請求代行会社やプランによって扱いが異なります。
導入前に、現在利用中または利用予定の項目を一覧にして、適用可否を確認します。割引対象外でも利用自体はできる場合があるため、「利用可能か」と「割引対象か」を分けて聞きます。
デメリット6:表示割引率と実際の削減率が違う場合がある
高い割引率が表示されていても、対象がオンデマンド利用料だけなら、請求全体の削減率は表示値を下回ることがあります。
また、日本円換算に使う為替レート、手数料、サポート費用、デポジットなどによって、支払総額は変わります。
比較するときは直近の請求内訳を使い、次の金額を確認します。
- 請求代行へ切り替えた場合の支払総額
- 割引対象額と対象外額
- 初期費用・月額費用・手数料
- サポートや付帯サービスの費用
比較項目の整理方法は、AWS請求代行サービスの比較ポイントも参照してください。
デメリット7:解約・他社への乗り換えに手続きが必要
請求代行を解約し、AWSとの直接契約へ戻す場合や、別の請求代行会社へ乗り換える場合は、アカウントやOrganizationの移行が必要になることがあります。
最低契約期間、解約予告期間、違約金、デポジットの返金、Rootユーザー、最終請求の扱いを契約前に確認します。稼働中アカウントの切替時の確認事項は、既存AWSアカウントを請求代行へ移管する際の確認事項もあわせてご覧ください。
デメリットを避けるための確認表
契約前に、次の表の空欄を埋めておくと、割引率以外の条件漏れを防げます。
| 項目 | 自社の現状 | 切り替え後 | 確認済み |
|---|---|---|---|
| Rootユーザー | |||
| Organizations | |||
| AWS Support | |||
| RI・Savings Plans | |||
| 無料枠・クレジット | |||
| Marketplace | |||
| 請求通貨・為替 | |||
| 最低契約期間 | |||
| 解約・乗り換え |
空欄を残したまま割引率だけで契約しないことが、請求代行選びで最も重要です。
当社のAWS請求代行では何が変わる?
当社のAWS請求代行サービスでは、通常の利用においてRootユーザーを利用企業側で保持でき、現在のOrganizations構成とAWS Supportを継続できます。AWS利用料は原則5%割引で、RI・Savings PlansやAWS Supportプラン費用も割引対象です。AWS Marketplace利用料は請求書に含まれますが、5%割引の対象外です。
請求関連の確認は基本的に当社のコスト確認画面で行います。AWS Billing Consoleへのアクセスは制限され、Cost Explorerも原則利用できません。また、技術相談、障害対応、運用監視は標準範囲ではありません。
最低契約期間と違約金はありませんが、解約は原則30日前までの連絡が必要です。Control TowerやBilling Transferを含め、現在のOrganizations構成によって事前確認が必要です。詳細はサービスページとサービス資料もあわせてご確認ください。
まとめ
- 請求代行のデメリットは、割引率では見えない運用条件にある
- Root、Organizations、サポート、RI/SP、無料枠、請求条件、解約の7点を確認する
- 「利用できる」と「割引対象」は分けて確認する
- 契約前に確認表の空欄を埋めてから比較する
- 会社・プランごとに条件が異なるため、一般論だけで決めない
まずは自社が維持したい運用を書き出し、候補サービスへ同じ質問を投げるところから始めるとよいでしょう。
FAQ
AWS請求代行を利用するとRootユーザーは必ず使えなくなりますか?
必ず使えなくなるわけではありません。提供会社やプランによって異なります。当社のAWS請求代行では、通常の利用において利用企業側でRootユーザーを保持できます。
AWS請求代行でOrganizationsを維持できますか?
対応はサービスごとに異なります。当社のAWS請求代行では現在のOrganizations構成を継続できますが、構成によって支払い管理に関する事前確認が必要です。
AWS請求代行を解約したらAWSアカウントも使えなくなりますか?
請求代行の解約とAWSアカウントの解約は別の手続きです。ただし、直接契約へ戻す方法や他社へ移す方法はサービスごとに異なるため、契約前に確認してください。
