こんばんは、小寺です。
IP Address Manager (IPAM) は、インターネット レジストリに登録されている IP アドレスの Bring-Your-Own-IP (BYOIP) を全てサポートするようになりました。
https://aws.amazon.com/about-aws/whats-new/2024/07/amazon-vpc-ipam-byoip-ips-registered-internet-registry/

IP Address Manager (IPAM)についておさらい

IP Address Manager (IPAM)についてです。 ネットワーク管理者に IPの自動管理ワークフローを提供するマネージドサービスです。
マネジメントコンソールのダッシュボードからIPアドレスの利用状況の確認や、VPCへのIPアドレス割り当てを自動で行えるため、今まで手動で行っていたIPアドレスの管理が自動化できます。

IPAM プールの仕組み
https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/vpc/latest/ipam/how-it-works-ipam.htmlより引用

Amazon VPC IP Address Manager を使用するには、まず IPAM を作成します。 AWSリージョンプールには、2つIPAMプールがあります。1 つは本番稼働前用(PRE-PROD)のプール、もう1つが本番稼働リソース用(PROD)のプールです。

プールとは、連続したIP アドレス範囲 (CIDR) の集合を意味しています。

アップデート内容

今までもBYOIPのサポートはされていました。独自のIPv4とIPv6アドレスを AWS に持ち込み、BYOIPv4 アドレスから Elastic IP アドレスを作成し、そのアドレスをAmazon EC2インスタンス、Network Load Balancer、NAT ゲートウェイなどの様々なAWS リソースで利用できます。
BYOIPv4 アドレスから作成した Elastic IPアドレスは、AWSで自動取得した Elastic IP アドレスと同様に機能します。IPv6アドレスもまた然りです。

インターネット レジストリは、特定の地域などのIPアドレスを割り当てと管理を行う機関です。いくつかの種類に分かれています。
今回のアップデートで、今まで対応していなかった以下のインターネットレジストリに対応するようになりました。

・JPNIC
JPNICは1993年3月に発足した、 日本国内においてIPアドレスやAS番号といったインターネットにおける番号資源の管理を行うための団体です。 1997年には、社団法人化しました。 その後、2013年に一般社団法人(非営利型)へと移行しています。
現在では、番号資源の管理のみならず、
・インターネット基盤技術の調査・研究
・イベントや各種媒体によるインターネットの普及啓発
・中立的な立場での各種調整、実験環境などの提供
・インターネットに関する政策やガバナンスに関する情報収集および提供、検討への参画なども行っています。
なお、発足以来JPドメイン名の登録管理も行っていましたが、 2000年12月に株式会社日本レジストリサービス(JPRS)を設立した上で、 2002年4月に同社に登録管理業務を移管しました。

・LACNIC
LACNICはラテンアメリカとカリブ海地域のIPアドレス、AS番号の割り当て・管理を行う組織です。
地域インターネットレジストリの1つとして、2002年10月のICANN上海会議にて最終承認され、独立運用を開始しています。

・AFRINIC
AFRINICはアフリカ地域を管轄する地域インターネットレジストリ (RIR) です。
インターネット プロトコルやIPアドレス空間 (IPv4 および IPv6) やASNの割り当て・管理を行う組織です。

BYOIPを利用するとき、AWSでは持ち込まれるIPアドレス空間をユーザー側で制御していることを検証する仕組みになっています。
この仕組みがあることで、AさんのIPはBさんのものではないという保証がされるわけですね。
本アップデート前まで、IPAM は登録データ アクセス プロトコル (RDAP) を介した検証のみをサポートしていましたが、すべてのインターネット レジストリがサポートしているわけではありませんでした。
このアップデートで検証の仕組みが変更され、DNS レコードを使用して IP アドレスが自分のものであることを検証できるようになりました。
プロセスはインターネット レジストリに依存せずに検証できるようになっています。