こんばんは、小寺です。
AWS は、映画、テレビ番組、コマーシャル、ゲーム、工業デザイン用の 2D および 3D ビジュアル アセットを作成するチームのレンダリングのフルマネージド サービス「AWS Deadline Cloud」が発表されました。
https://aws.amazon.com/about-aws/whats-new/2024/04/announcing-aws-deadline-cloud/
CGレンダリングって聞いたことがありますか。3DCGソフトで作られたCG素材を、計算によって2Dの映像に描画することです。
マネージドサービスなので、VFXや2D/3Dのコンピュータグラフィックスなどの高速なレンダリング用の処理をクラウド上で数分で構築することができます。
AWS Deadline Cloudのメリット
昨今、解像度の高いコンテンツが増えていますよね。昔、子供のころに流行っていたゲーム等も〇十年経ってみると同じもの?と驚いたことがある方もいるのではないでしょうか。
マネージドサービスを利用していない場合、以下のような課題解決に役立つたくさんのメリットがあります。
・レンダリング環境の構築に時間&コストがかかる→数分間に短縮
オンプレミスで環境を作る場合、コンピューティングノードが倍になれば、処理できるレンダリングの時間は半分になります。
ただ、多くの機器をセットアップして、レンダリングファームを作るのはかなりのコストと期間が必要です。課題を解決するのが、このAWS Deadline Cloudのメリットです。
・ハードウェアの入れ替えが必須→管理から解放されます!
ハードウェアの保守サポート期限を常に気にしながら、利用をする必要があります。 最新の規格や数年間利用し続けることを考慮した機器選定もそれなりにコストがかかると思います。マネージドサービスなので、ハードウェアの管理に割いていた時間が不要になります。
・コスト最適化が実現
クラウドサービスは使用していない時間は課金されないのがうれしいですよね。
オンプレミスで運用されていた場合、プロジェクトによって閑散期と繁忙期の波がくることもあるかと思いますが、ピークに備えた構成をとることが多いかと思います。
レンダリング時間分支払うということで、コスト最適化の実現ができます。また、予算管理機能も組み込まれているため、プロジェクト単位できめ細かくコストを把握することができます。
・制作ソフトウェア連携
主要なAutodesk Arnold、Autodesk Maya、Foundry Nuke、SideFX Houdiniなどのデジタルコンテンツ制作ソフトウェアと連携もしていますし、カスタマイズも可能
・並行稼働で製作パフォーマンスもアップ
稼働のインフラ面の制約がないので、同時レンダリングを行うことで製作のパフォーマンスがアップできます。
AWS Deadline Cloudのコンセプトと構成
AWS Deadline Cloudのコンセプトです。
・Deadline Cloud モニター
ジョブ、ステップ、タスクのステータス、ログ、その他のトラブルシューティング メトリックにアクセスすることができます。
Deadline Cloud モニターは、ジョブの進行状況へのリアルタイムのアクセスと更新が確認できます。複数のファーム、フリート、キューのリストからシステム使用率を表示することもできます。
・Deadline クラウド送信
AWS SDK または AWS コマンドライン インターフェイス (AWS CLI) を使用して、レンダリング ジョブを直接送信できます。
Deadline Cloud サブミッターを使用して DCC ソフトウェアからAWSへデータを送付することもできます。
Deadline Cloud サブミッターは、オープン ソース テンプレート仕様である Open Job description (OpenJD) をサポートする DCC 統合プラグインです。
アーティストは Maya や Nuke などの使い慣れたサードパーティの DCC インターフェイスから Deadline Cloud にレンダリング ジョブを送信でき、プロジェクトのリソース及びジョブ管理ができます。
・Deadline Cloud 予算マネージャー
予算を作成および編集して、プロジェクトのコストを管理し、使用されている AWS リソースの数とそれらのリソースの推定コストが確認できます。
・Deadline Cloud 使用量エクスプローラー
使用量エクスプローラーでAmazon EC2 および使用量ベースのライセンス (UBL) の公開価格に基づいて、おおよそのコンピューティング コストとライセンス コストのモニタリングができます。
利用開始する前の注意点としては、関連するファームについてAWS IAM Identity Center と統合する必要があります。 管理者側で閲覧者、投稿者、マネージャー、所有者など、さまざまなレベルのユーザーやグループにアクセス権の付与を行います。