こんばんは、小寺です。
Amazon ElastiCache for Redis for Data Tieringがオートスケーリングに対応しました。
https://aws.amazon.com/about-aws/whats-new/2023/05/amazon-elasticache-redis-data-tiering-auto-scaling/

Amazon ElastiCache for Redis for Data Tieringとは

Amazon ElastiCache for Redis for Data Tieringは、「データ階層化」と呼ばれています。
簡単にお伝えすると、使用可能なメモリ (DRAM) に保存するだけではなく、低コストのソリッドステートドライブ (SSD)にキャッシュを保存する仕組みです。大容量のデータが低コストで運用できます。

どうやってデータ階層化を実現しているかというと、Redisクラスター上でElastiCache は保存するすべてのデータの最終アクセス時間を記録しています。
使用可能なメモリ (DRAM) が完全に消費された後、ElastiCache は Least Recently Used (LRU) アルゴリズムを使用して、アクセス頻度の低い古いデータから順番にメモリからSSDに自動的に移動させます。
SSD に移動したデータにアクセスがあると、ElastiCache はリクエストに応える前に非同期でメモリに戻します。

データ階層化は、メモリからSSDへ移動しますが、パフォーマンスの影響を最小限に抑えるように設計されています。例えば、500 バイトの文字列値を想定した場合、メモリ内のデータへのリクエストと比較すると、SSD に保存されたデータへのリクエストには平均で 300 マイクロ秒のレイテンシーが生じます。
トレードオフと捉えるかは、考え方次第でしょうかね。

Amazon ElastiCache for Redis for Data Tieringのベストプラクティスとは

・データ階層化を利用するワークロードとしては、データセット全体の最大 20%に定期的にアクセスするワークロードや、SSD 上のデータにアクセスする際にSSDからメモリ移動のレイテンシーが許容できることです。
・データ階層化ノードで利用可能な SSD 容量を使用する場合は、値のサイズをキーサイズよりも大きくすることが推奨されています。
DRAM と SSDの間でデータを移動すると、キーは常にメモリに残り、値だけが SSDに移動されます。

アップデート内容

Amazon ElastiCache for Redis for Data Tieringでもオートスケーリングが利用できるようになりました。

今までの制限事項として、オートスケーリングは、データ階層化を使用して実行されるクラスターではサポートされていませんでした。
今回のアップデートにより、ElastiCache for Redis サービスで必要なシャードまたはレプリカを自動的に増減する機能にも対応しました。
ターゲットメトリクスを定義すると、リソース使用率に応じて ElastiCache がリソース容量を調整します。
容量の使用率がアップすると、ElastiCache はクラスターに R6gd ノードを追加して容量を増やし、使用率を目標としているレベルまで戻してきます。クラスターが容量を自動的に調整できるので、高いパフォーマンスを維持できるようになります。

容量の使用率が低下した場合は、ElastiCache はクラスターから R6gd ノードを削除して、過剰なプロビジョニングを削減し、コストを低下させます。

対象リージョン

データ階層化が利用できる全てのリージョンでオートスケーリング機能も利用できます。