みなさん、こんばんは。小寺です。
Amazon Aurora I/O-Optimized と呼ばれる Aurora データベースの新しいバージョンの一般提供が発表されました。
https://aws.amazon.com/about-aws/whats-new/2023/05/amazon-aurora-i-o-optimized/

アップデート内容

今までI/O Rate課金によりストレージ料金がいくらかかるのか予測が難しかったところをI/O レート課金がなくなりました。
本アップデートで大規模なワークロードを持つ顧客のデータベース全体のコストが削減され、クラウド データベースの請求額の予測可能性が高まります。

今回のアップデートにより、Auroraを利用するときに以下の2つから選ぶことができるようになりました。
・Aurora Standard
・Aurora I/O-Optimized

Aurora I/O-Optimized は、t3、r5、r6i、t4g、r6g、r7g、x2gのインスタンスタイプで利用することができます。
Aurora Serverless v2、Aurora Global Database、リザーブドインスタンスにも対応しています。

Aurora I/O-Optimized はどんなときにメリットがある?

大規模ワークロードを運用されているお客様向けのです。なぜなら、標準の Auroraデータベースよりも高価なインスタンスタイプに対応していることにまずは注意が必要ですよね。
通常、キャッシュされていないデータを読み取り、MySQL または Postgres データにデータを書き戻すたびに、I/O 料金が発生します。
I/Oの利用料が現在の Aurora データベース支出の 25 パーセントを超えた場合に最大 40 パーセントのコスト削減が可能になります。リザーブドインスタンスを使用している場合は、さらに大きなコスト削減が見込まれます。

Aurora I/O-Optimizedを利用するときの制限事項

利用できるバージョンに制限があるので、事前に確認をお願いします。
2023年5月のGA時点での情報です。
・Aurora MySQL バージョン 3.03.1以上
・Aurora PostgreSQL バージョン 15.2以上、14.7以上、13.10以上

Aurora クラスターでは、ストレージ構成を 30日に1回Aurora I/O-Optimized に切り替えたり、いつでも Aurora Standard に戻すことができます。

実際の画面で確認してみた

(1)Aurora DB クラスターを作成してみます。
「Cluster storage configuration」が設定で追加されています。デフォルトでは「Aurora Standard」にチェックがついている状態です。

(2)Aurora I/O-Optimizedに対応していないDBエンジンバージョンを選択した状態では、デフォルトでグレーアウトされる仕様になっています。

(3)Aurora Serverlessとして作成してみました。
作成後「設定」タブを確認すると「Cluster storage configuration」が「Aurora I/O-Optimized」になっていることが確認できました。

(4)せっかく作成したのですが、ストレージ構成をいつでもAurora Standardに戻せるということなので、Aurora Standardへ変更してみます。
「変更」をクリックします。

(5)「Cluster storage configuration」を「Aurora Standard」を選び、「続行」をクリックします。
変更の際には「You can’t switch back to Aurora I/O-Optimized until next month. In the database-1 cluster, 1 instance will be modified to run with the chosen cluster configuration.」
ちゃんと次の変更は来月である旨、メッセージが表示されました。

(6)数分待つと無事に変更ができました。変更作業による再起動などは発生はありません。

利用料

2023年GA時点での利用料について比較してみました。
現時点の情報なので、正確な利用料は公式からご確認をお願いします。

また試算する際の参考情報として、書き込み I/O 操作は 4 KB 単位でカウントされます。 例として1,024バイトのログ レコードは、1 つの書き込み I/O 操作としてカウントされます。だし、ログ レコードが 4 KB より大きい場合、ログレコードを保持するには複数の書き込み I/O 操作が必要になります。
ログレコードが 4 KB 未満の同時書き込み操作は、I/O 消費を最適化するために、Aurora データベースエンジンによってまとめてバッチ処理される場合があります。実際のI/Oを確認するには、マネジメントコンソールの請求書から確認が可能です。

対象リージョン

Aurora I/O-Optimizedの対象リージョンは、以下の4つを除いたリージョン全てで利用可能です。
・China (Beijing)
・China (Ningxia)
・AWS GovCloud (US-East)
・AWS GovCloud (US-West)

まとめ

Aurora I/O-OptimizedがGAになりました。
I/Oレート課金がなくなるのは素晴らしいですよね。大規模ワークロードの移行向けなのかなーと見ています。
ただ、やはり基本料金としてはやや高額な料金が設定されているため、本アップデートをそもそも利用するのかという観点をもつことが大切です。
特定のワークロードの詳細によって、利用者が意思決定していく必要があるかと思います。