みなさん、こんばんは。小寺です。
AWS Fault Injection Simulator(FIS)の機能アップデートをご紹介させていただきます。
https://aws.amazon.com/about-aws/whats-new/2023/04/aws-fault-injection-simulator-amazon-ec2-instance-disk-fill/
AWS Fault Injection Simulatorとは
AWS Fault Injection Simulatorでは、アプリケーションに対してクラウド障害のシミュレーションを行うことができます。シュミレーション(実験)を実行して障害時のアプリケーションの動作をテストし、アプリケーションのパフォーマンス、可観測性、回復力を向上させるのに役立ちます。
現在、FISがサポートしているサービスです。
・Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2)
・Amazon Elastic Container Service (Amazon ECS)
・Amazon Elastic Kubernetes Service (Amazon EKS)
・Amazon Relational Database Service (Amazon RDS)
シュミレーション(実験)を行うためには、まずは実験テンプレートを作成します。テンプレートに実験したときのアクション、ターゲット、および停止条件を含めておきます。
アップデート内容
EC2 インスタンスのフル ディスクに新しい SSM ドキュメントが追加できるようになりました。
新しいディスクフィルドキュメントでは、ディスク領域が使用できない場合にアプリケーションがどのように動作するかを確認するために、ディスク領域を消費します。
この目的としては、「デバイスに空き容量がありません」というエラーに対して回復力のあるアプリケーションを構築するための確認が行えるようにします。
デバイスの空き容量不足ってよくありますよね。大体は、不要なファイルの削除漏れ、ローテーションなどログ管理不足しているために発生し、バグや機能停止につながる可能性があります。
FIS ディスク フィルを使用すると、デバイスの空き容量不足エラーを再現させることができ、根本的な問題を発見して修正できます。新しいエージェントのインストールなしで利用できます。
確認してみる
AWS FIS SSM documentsについて、確認してみました。
まずは前提条件として、2023年4月の機能追加時点でサポートされているOSです。
・Amazon Linux 2023, Amazon Linux 2, Amazon Linux
・Ubuntu
・RHEL 7, 8, 9
・CentOS 7, 8, 9
AWSFIS-Run-Disk-Fill
・Action Type:aws:ssm:send-command/AWSFIS-Run-Disk-Fill
ARN
・arn:aws:ssm:region::document/AWSFIS-Run-Disk-Fill
ドキュメントのパラメータ
・DurationSeconds:
必須項目。テストの実施される間隔を入力
・Percent:デフォルト値95%
オプション項目。デフォルト値95%
・InstallDependencies
オプション項目。インストールの依存関係
上記のSSMドキュメントを選ぶにはFISの「実験テンプレート作成」時にアクションタイプから「SSM」を選択し、対象のドキュメントを選びます。
対象リージョン
AWS GovCloud (US) も含めて全てのリージョンで利用が可能です。
まとめ
EC2 インスタンスのフル ディスクに新しい SSM ドキュメントが追加されました。FISの機能拡張によって、事前にアプリケーション層まで含めた実験ができるのはありがたいですね。