みなさん、こんにちは。Koyachiです。最近案件でファイルサーバの選択肢を考え直す機会がありました。
いったん自分なりに現実的な「ファイルサーバ on AWS」の選択肢と、その情報をざっとまとめてみました。それっておかしくね?こんなのもあるんじゃね?と考えるきっかけになれば幸いです。
ファイルサーバ on AWSの選択肢
現実的な選択肢としては、以下と考えています。
① ファイルサーバ on EC2
② FSx for Windows
③ S3 File Gateway (Storage Gateway)
④ FSx File Gateway (Storage Gateway)
⑤ S3マウントツール
① ファイルサーバ on EC2
Windows OSのEC2上にファイルサーバサービスを設定する方式。 FSx for Windows 登場までは主流の方式だった。現在もファイルサーバにおいてOS上で処理が必要(タスクスケジューラ等)な場合は使用される
② FSx for Windows
ファイルサーバ用のAWSマネージドサービスである「FSx for Windows」を用いて実装する方法。EC2では運用に難があったマルチAZ構成が容易に実現できる点が大きな評価点。かつてはManaged AD(高額ADサービス。。)の使用が必須だったが、AD on EC2でも利用が可能となりハードルが下がった。
③ S3 File Gateway (Storage Gateway)
Storage Gatewayの一つである「S3 File Gateway」を用いる方式。
S3ストレージをデータ保存領域として使用できるため、保存容量が増大した場合にも前項記載の方式よりも利用料金が安価に抑えることが可能。
また伸縮自在であるため、サイジングが難しい場合にも適している。
④FSx File Gateway (Storage Gateway)
Storage Gatewayの一つである「FSx File Gateway」を用いる方式。
S3 File Gatewayとの使い分けは、低レイテンシーが必要な場合にこちらの使用を検討することになると思われる(次ページ参照)。
③④の使い分けについて
⑤ S3マウントツール
Web文献からの引用ですが、Window OSでは以下のようなツールがある。AWSのサポートが受けられないというデメリットを考慮して選択する必要があると思われる。
S3 Drive (nsoftware)
AirLiveDrive
odrive sync
各方式の比較
No. | 方式 | パフォーマンス | 可用性 | コスト | 備考 |
1 | ファイルサーバ on EC2 | △ EC2/EBSの性能に依存 | △ 一つのエンドポイントで冗長化はできない | △ 保存容量次第で高価に | |
2 | FSx for Windows | 〇 パラメータで調整が可能 | 〇 マルチAZ設定で冗長化した場合 | △ 他パターンと比較して高価 | |
3 | S3 File Gateway (Storage Gateway) | △ S3であるため読み書きが遅い | △ GatewayサーバがSPOF | 〇 容量が大きく増えてもコストが増大しない | 以下でファイルの可用性の強化可能 ・S3バージョニング ・マルチリージョンへレプリケーション |
4 | FSx File Gateway (Storage Gateway) | 〇 S3 File Gatwayと比較して高速 | △ GatewayサーバがSPOF | △ S3 File Gatwayと比較して高価 | |
5 | S3マウントツール | △ S3であるため読み書きが遅い | △ ソフトウエアサーバがSPOF | △ ソフトウエア次第 ライセンス/サポート費用発生する場合もあり | AWSサポートが受けられない点が不利 |
まとめ
いかがでしたでしょうか。一言にファイルサーバといっても、絶対解となるベストプラクティスが存在するわけではなく、重要視する内容によって選ぶべきAWSサービスは変わってくることをお伝えしたく、この記事を書かせていただきました。
少しでも皆様のファイルサーバ構築のお役に立てれば幸いです。