みなさん、こんにちは。サニービュー事業部の小寺です。
ラスベガスから現実に戻ってきました・・笑。
発表当日に書ききれなかった新機能について、まだまだお伝えしていきたいと思います。
まずは、「AWS SimSpace Weaver」についてお伝えします。
AWS SimSpace Weaverとは
AWS SimSpace Weaverとは、大規模な空間的な環境シミュレーションの構築・運用をサポートするフルマネージドサービスです。
複数のインスタンスを使用する複雑な空間シミュレーション環境を構築するのは、複雑な手順が必要ですが、SimSpace Weaverを使えば、インフラ面の心配なくマネージドサービスとして利用をすることができます。
そもそも、本サービスが誕生したきっかけとしては、ロンドンやロサンゼルスなどの大都市における交通渋滞の改善や住宅計画の影響、自然災害時の対策などをシミュレーションで評価しようとすると、人間や車、鉄道、橋などの都市を構成する何百万ものオブジェクトが相互に影響することになります。 そんなリアリティをコンピュータ上で仮想空間として構築し、さまざまなオブジェクトを動かすことでシミュレーションできるツールとして、いわゆる「3Dエンジン」と呼ばれるものがあります。
ただし、元々あった3Dエンジンが備える演算機能は基本的に単一のコンピュータで実行するように作られているため、何百万ものオブジェクトが複雑に相互作用する都市規模のシミュレーションを
行うのにはキャパ不足な面があり、難しかったのですが、今年のre:Inventのテーマでもあった「パフォーマンス」を追及した結果、大規模なシミュレーションのための演算を可能にするサービスなのです。
SimSpace Weaver を利用することで、自動的に空間シミュレーションの領域を複数のEC2インスタンスに分散し処理を行うことができます。
どんな時に使うサービスなの?
ここまでご覧いただき、「空間的な環境趣味レーションの構築・運用」といわれても、なかなかイメージし辛いですよね。
AWS社が考えているユースケースについて、ご紹介します。
例えば、都市全体の交通の流れや特定のスポットの人流など、100万以上のデータポイントを扱うシミュレーションを実施する企業や研究機関が対象となるそうです。 また、車両、住民、その他のオブジェクトを含むスマートシティのシミュレーションにも理想的です。
疫病の拡大状況の観察、仮想都市内での自動運転のテスト、そしてゲームなどへの応用なども想定されているようです。
どうやって使うの?
サービスを使用するには、まずAWS SimSpace Weaver SDKをダウンロードし、シミュレーションのコードに同サービスのAPIを組み込むことで、そのコードをAWS上にアップロードして、複数のサーバーで大規模なシミュレーションを展開することができます。
また、シミュレーションの視覚化や操作のためにクライアントアプリケーションを接続することもできます。
料金
SimSpace Weaver 自体の料金は無料で、 シミュレーション期間中に使用するインスタンス数についての料金を支払います。 についてのみの支払いです。詳細な料金はこちらから。
対象リージョン
以下のリージョンでGAになっています。東京リージョンはまだ発表時点では利用ができないですが、そのうちリージョン追加されると想定されます。
・米国東部 (オハイオ)
・米国東部 (バージニア北部)
・米国西部 (オレゴン)
・アジアパシフィック (シンガポール)
・アジアパシフィック (シドニー)
・欧州 (アイルランド)
・欧州 (フランクフルト)
・欧州 (ストックホルム)
まとめ
クラウドで大規模な空間シミュレーションを実現「AWS SimSpace Weaver」が発表されました。
かなりスケールの大きなサービスで、あまり身近ではないかもしれませんが、コストとパフォーマンスのバランスが強調されていたように、
スケールの大きな発表だったな、と改めて振り返りました。