みなさん、こんにちは。
サニービュー事業部の小寺です。
先日、Amazon S3 File Gateway でスケジュールベースのネットワーク帯域幅スロットリングを追加できるようにアップデートがありましたね。
https://aws.amazon.com/jp/about-aws/whats-new/2022/01/amazon-s3-file-gateway-schedule-based-network-bandwidth-throttling/
今日は、あまり馴染みのないサービスかもしれないですが、改めてAmazon S3 File Gatewayについて、どのようなサービスなのか解説していきたいと思います。
Amazon S3 File Gatewayとは
Amazon S3 File Gatewayは、AWS Storage Gatewayのソリューションの一つです。
AWS Storage Gatewayはオンプレミスからクラウドストレージに対して事実上無制限のアクセスを提供するハイブリッドストレージサービスです。アプリケーションに変更を加えることなく簡単にデプロイでき、オンプレミスの標準のストレージプロトコルと簡単に統合できます。データのセキュリティを維持するために役立ち、スケーラブルでコスト効率の良いサービスを利用できます。
VMware ESXi、Microsoft Hyper-V、Linux KVMまたはEC2などのホスト上にデプロイして使用します。
以下の4種類のソリューションを提供しています。
・Amazon S3 ファイルゲートウェイ
1ファイルをS3の1オブジェクトとして保存。直近に使用されたデータはゲートウェイ上のEBSに保存されるため、低遅延なアクセスが可能です。
ソフトウェアアプライアンス、またはゲートウェイは、VMware ESXi、Microsoft Hyper-V、または Linux カーネルベースの仮想マシン (KVM) ハイパーバイザーで実行される仮想マシン (VM) として、オンプレミス環境にデプロイされます。
・Amazon FSxファイルゲートウェイ
Amazon FSx ファイルゲートウェイ(FSx ファイル)は、オンプレミスの施設からクラウド内 Amazon FSx for Windows File Server 共有への低レイテンシーと効率的なアクセスを提供する新しいファイルゲートウェイタイプです。
・テープゲートウェイ(Tape Gateway)
テープゲートウェイは、VMware ESXi、KVM、または Microsoft Hyper-V ハイパーバイザーで実行される VM としてオンプレミス環境にデプロイできます。
物理テープライブラリの代替としてストレージゲートウェイを仮想テープライブラリとして使用。Amazon S3 にデータをバックアップし、既存のテープベースのプロセスを使ってS3 Glacier フレキシブルリトリーブまたは S3 Glacier Deep Archive にアーカイブすることができます。
・ボリュームゲートウェイ(Volume Gateway)
ボリュームゲートウェイは、VMware ESXi、KVM、または Microsoft Hyper-V ハイパーバイザーで実行される VM としてオンプレミス環境にデプロイできます。
ディスクデータのスナップショットをS3に保存します。保管型(全てのデータをゲートウェイ上に保存した上でS3へ保存)とキャッシュ型(頻繁にアクセスされるデータのみゲートウェイ上に保存)の2種類をサポートしています。
S3 File Gatewayのメリットとは
Amazon S3 File Gateway を使用すると、オンプレミスアプリケーションはファイルを Amazon S3 のオブジェクトとしてシームレスに保存できます。また、これらのファイルには、NFS や SMB など業界標準のファイルアクセスプロトコルを使用してアクセスできます。
Amazon S3 File Gateway は、オンプレミスでの、最近アクセスされたデータに対する高速アクセスを維持しつつ、オンプレミスから AWS にファイルデータを移行し、オンプレミスファイルデータの AWS でのバックアップを行います。また、Amazon S3 に保存されたデータに対し、オンプレミスのアプリケーションから低レイテンシ―でアクセスできます。
よって、S3 File Gatewayを使うときのメリットとしては、Amazon S3のバケットは容量無制限で耐久性、セキュリティ面が優れているので、オンプレミスのアプリケーションのバックアップ先として気軽に利用することができます。
また、使用頻度の低いファイルは更に安価なストレージクラスに移動させることができます。S3はストレージクラスという区切りがあり、使用頻度により課金される料金も変わってきます。使用頻度の低いファイルは低コストのストレージクラスに移動してしまえば更に安価な料金での保管が可能です。ライフサイクルの設定でストレージクラスの移動の自動化も可能となっています。尚、ストレージクラスを移動した場合、取り出す際に別途料金が発生します。
Amazon S3 File Gateway利用料金
・ストレージ料金:Amazon S3の利用料金として請求
・ゲートウェイによるAmazon S3への書き込み:1GBあたり0.01USD
正確な料金はこちらから、ご確認をお願いします。
スケジュールベースのネットワーク帯域幅スロットリングの追加
今回ご紹介させていただいたAmazon S3 File Gatewayでネットワーク帯域幅スロットリングの機能が2022年1月に追加されました。
このアップデートにより、オンプレミスデータを AWS と同期するためにゲートウェイが使用するネットワーク帯域幅を、ゲートウェイで設定したスケジュールに基づいてスロットリングできるようになります。
改善点としては、ピーク時の帯域幅の使用を調整してネットワークの混雑を最小限に抑えることができるようになります。
ピーク時以外には、帯域幅をフルに利用することにより、AWS へのネットワーク接続を最適化されるようになりました。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
Amazon S3 File Gatewayの特徴について、お伝えしました。バックアップ先やオンプレミスからの移行として、S3を利用してセキュアにデータを格納できる点で活用ができそうですよね。
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