みなさん、こんにちは。AWSを利用検討されている企業様も多いですよね。いくら利用料金がかかるのか?気になりますよね。利用するサービスを選択していけば、月額料金も見積もることができます。
しかし、ちょっと待ってください。実はそれ以外に料金がかかること、ご存じですか?それが通信料金です。通信料金ももちろん従量課金であり、構成や使い方を間違えれば後で意図していない料金が課金されることになります。今回は、EC2を利用する際に、通信料金が発生するケースについて、お伝えします。
AWSの通信料金とは?
通信料金とは、データ通信料金のことです。スマホ利用時にある、月20G○○円のようなデータ通信量に応じて、料金がかかりますよね?皆さんがインターネットを利用し、SNSなどでコミュニケーションを取る場合、その間を通信キャリアがつないでくれている、その利用料金と考えれば良いかと思います。
それではAWS利用において通信料金が発生するのは具体的にどういったケースでしょうか。ここではEC2で通信料として、利用料金がかかる点をお伝えします。
※2021/5/18時点の情報です。最新の料金については、AWSの料金ページをご確認ください。
インターネット接続の通信料
まずは1つ目、インターネット接続です。
例えば、
●クラウドのストレージサービスに対し社員がアクセスする
●社外向けWebシステムに対しお客様がアクセスする
●社内システムとAWS上のシステム間でのデータ連携
という形であれば、イメージしやすいのではないでしょうか?インターネットを経由してEC2と通信する場合において通信料金が発生する、と考えてください。
Internet Gateway経由の通信
AWSからインターネットに対しデータ送信した場合(Outbound)に通信料金が発生します。つまり、インターネットからEC2へのデータ転送受信は無料ですが、EC2からインターネットへデータをアップロードする場合は転送量に応じて課金がされます。
以下の表はAmazon EC2 からインターネットへのデータ転送 (Out) の料金です。1GBまでは無料で利用できますが、1GBを超えると転送量に応じて、課金がされます。
利用量 | 料金 |
1 GB/月まで | 0.00USD/GB |
次の 9.999 TB/月 | 0.114USD/GB |
次の 40 TB/月 | 0.089USD/GB |
次の 100 TB/月 | 0.086USD/GB |
150 TB/月以上 | 0.084USD/GB |
NAT Gatewayからインターネットへの通信
NAT GatewayはプライベートIPアドレスをパブリックIPアドレスに変更し、VPC内に構成した「プライベートサブネット」からインターネットに接続するためのゲートウェイです。NAT Gateway経由でインターネット通信をする場合はNAT Gatewayの課金体系になります。 NAT Gatewayについては基本料金+転送処理量に応じて課金がされます。
利用用途 | 料金 |
Price per NAT gateway ($/時間) | $0.062/時間 |
Price per GB data processed ($) | $0.062/GB |
NAT Gatewayをデプロイした段階からPrice per NAT gateway ($/時間)が課金されます。NAT Gateway経由で通信をしなかった場合でも、0.062USD×720時時間=$44.64が毎月かかってきます。
AWSアカウント内での通信
AWSのネットワークを構成する上で大きなエリア分けのような定義があります。具体的には下記のとおりで、すでにAWSを利用されている方はおなじみの用語ではないかと思います。
●リージョン:データセンターの設置されているエリアの事、「東京リージョン」「大阪リージョン」など
●VPC:AWSアカウント内に構築できる仮想ネットワーク
●アベイラビリティゾーン:AWSの各リージョンに存在するデータセンター
●サブネット:最初にVPCによって作られているCIDRブロックを分割したネットワーク群
実は、これらをまたいで通信させる場合において通信料が発生します。インターネット接続とは違い、双方向で料金がかかることもあるので、注意が必要です。
同リージョン、同アベイラビリティゾーン間の通信
こちらは 受信 (イン)/送信 (アウト) ともに無料です!
同じアベイラビリティーゾーン内の Amazon EC2、Amazon RDS、Amazon Redshift、Amazon ElastiCache インスタンスと Elastic Network Interfaces 間のデータ転送は無料です。
https://aws.amazon.com/jp/ec2/pricing/on-demand/
同一リージョン 別アベイラビリティゾーンの通信
同一リージョン別アベイラビリティゾーン間においても通信料金がかかります。別AZのインスタンスへ通信する場合は 受信 (イン)/送信 (アウト) ともに$0.01/GBかかります。
冗長化構成(Multi-AZ構成)の場合は、利用料を見積りするときに考慮が必要です。
同じ AWS リージョン内のアベイラビリティーゾーンをまたいだ、または VPC ピアリング接続間の Amazon EC2、Amazon RDS、Amazon Redshift、Amazon DynamoDB Accelerator (DAX)、Amazon ElastiCache インスタンス、または Elastic Network Interface で「受信 (イン)」/「送信 (アウト)」されるデータの転送料金は、各方向 0.01 USD/GB です。
https://aws.amazon.com/jp/ec2/pricing/on-demand/
同リージョン、VPC Peering経由の通信
VPCピアリング経由の通信は 受信 (イン)/送信 (アウト)ともにアベイラビリティゾーンと同じ$0.01/GBかかります。
注意が必要なのが、同じAWSアカウントでVPCピアリング接続をする場合、双方向の料金がかかりますので実質$0.02/GBです。
別リージョンへの通信
別リージョンへの通信はデータ転送 (アウト)$0.09です。
CloudFrontへの通信
EC2 からのデータ転送 (アウト)は無料です。受信(イン)については、CloudFrontの料金が課金されます。
ELBへの通信
プライベート IP アドレスを用いて、EC2 インスタンスとロードバランサー間での通信は受信 (イン)/送信 (アウト)ともに無料です。
■まとめ
いかがでしたでしょうか。EC2の通信料について、理解が深まれば幸いです。
AWSをご利用いただくには、直接契約するより断然お得。
AWS利用料が5%割引、さらに日本円の請求書による支払いが可能です!