みなさん。こんばんは。サニービュー事業部の小寺です。
本日2022年11月18日に行われたAWSが主催するWell-Architected Bootcampに参加してきました。今回はその体験レポートと、そもそもWell-Architected Frameworkのおさらいをかねてお伝えします。
AWS Well-Architectedフレームワークについて
AWS Well-Architected (W-A)はAWSのソリューションアーキテクトや、パートナー、ユーザーの経験を元にまとめられた、クラウドアーキテクチャーのベストプラクティスです。
クラウドアーキテクトがアプリケーションやワークロード向けに高い安全性、性能、障害耐性、効率性を備えたインフラストラクチャを構築する際に役立ちます。
以下の6つの「柱」はWell-Architectedのカテゴリを示しています。
・運用上の優秀性
組織がビジネス目標をどのようにサポートしているか、ワークロードを効率的に実行する能力、運用に関するインサイトを得る能力、およびビジネス価値を提供するためのサポートプロセスと手順を継続に改善するスキルが含まれています。より良い運用体制を維持、改善し続けるためのヒントがたくさんあります。
・セキュリティ
クラウドテクノロジーを活用し、セキュリティ体制の向上を可能にするやり方でデータ、システム、資産を保護する方法を表します。AWS で安全なワークロードを設計するための詳細なベストプラクティスガイダンスを提供します。
・信頼性
従来のオンプレミス環境では、単一障害点、自動化の欠如、伸縮性の欠如が原因で、信頼性の実現が困難な場合があります。もちろん冗長化構成を取られている場合もありますが、自動化、オートスケールのようなプロセスの整備は難しいですよね。強固な基盤、一貫した変更管理、実証済みの障害復旧プロセスを持つ復元力のあるアーキテクチャを構築できます。
・パフォーマンス効率
従来のオンプレミス環境で、持続する優れたパフォーマンスを達成することは容易ではありません。というのも、自動的なスケールアップ等、ハードウェアの拡張の対応が難しいからです。長期にわたって持続的なパフォーマンスを効率的に提供するアーキテクチャをAWSで構築するために役立ちます。
運用コストをかけずに、最高のパフォーマンスが発揮できると良いですよね。
・コストの最適化
コスト最適化とは、システムのワークロードのライフサイクル全体にわたって改良、改善する継続的プロセスです。組織がコストを最小限に抑えて投資利益率を最大化すると同時に、ビジネス成果の達成につながるようなコストを意識したワークロードの構築および運用ができるようになります。
コスト削減だけに目が向きがちですが、コスト削減はもちろん、削減したコストで本業のビジネスに投資をし、よりクラウドを活用できるようになる考え方が得られます。
・持続可能性
実行中のクラウドワークロードによる環境への影響を最小限に抑えることに重点を置いています。例えば、持続可能性の責任共有モデル、影響についての把握、および必要なリソースを最小化してダウンストリームの影響を減らすためにAWSがサステナビリティをメインに考えていることが分かります。6つ目の柱として追加されたのは、今まで発表された柱をもとに効果的なアーキで無駄をなくすためです。
複数の柱にまたがる設計原則、質問、ベストプラクティスで構成されています。 AWS Well-Architected フレームワークはホワイトペーパーが公開されていて、AWSの設計の原則とベストプラクティスを確認することができます。
また、 いくつかの基本的な質問に答えると、自分のアーキテクチャでクラウドのベストプラクティスがどの程度実践できているかを知り、改善のためのガイダンスを得ることができます。
Well-Architected Partenr Program BootCampとは
架空の企業のシナリオをもとに、AWS Well-Architected フレームワークに沿って、チームで現状(As is) のベストプラクティスの適用状況を分析し、将来 (To be) のアーキテクチャーを検討する招待制のワークショップです。以下のスケジュールで実施されます。
午前 : 座学 2h
午後 : グループディスカッション 5h
このプログラムの受講には以下の参加条件があります。
・有効なSAPを保有していること
・グループディスカッションがメインとなるため、積極的に発言できる方
グループディスカッション
今回のブートキャンプの中心となるのが、グループディスカッションです。1チーム4名程度の受講者と、顧客役のAWS社の社員の方でW-Aレビューのロールプレーを行います。
1つのシナリオが事前に配布されており、Well-Architected Frameworkの5つの柱(運用、セキュリティ、信頼性、パフォーマンス、コスト)ごとにレビューと発表を繰り返していきます。持続可能性の柱については、このプログラムでは対象外でした。
ディスカッションの最初にチームが担当する質問が2問発表され、概ね20分でお客様役のAWS社の社員の方に質問をしながら現在の課題(As Is)のヒアリングとあるべき姿(To Be)をディスカッションします。
ディスカッションの時間が終わると、指定されたチームが結果を発表してAWS社の社員の方からレビューのポイントなどをご紹介いただき、他のチームの方やプレゼンターの方も匿名チャット欄に体験談や、実際にどのアーキを使っているか?等を投稿していく流れでした。
参加してみての感想
今は実際のプロジェクトに入ることはないので技術的についていけるか少し不安でした。何度かWell-Architectedレビューを社内で経験させていただいたこともあり、意外と理解ができて安心しました。
後は、他の受講者の方から匿名チャットの部屋があり、色々な情報をいただけたのが有益でありがたかったです。
例えば、AWSの最新情報の入手方法です。
「PERF 6. ワークロードを進化させるために、どのように新機能を取り込めばよいですか?」ですが、そもそもみなさんが どうやって最新情報を入手されているのか?というところは、SlackにRSSフィードを飛ばしたり、Slack活用されている方が多いなーなど、うちの会社と一緒だ!と思ったりして、他の会社の方のやり方をお聞きできて興味深かったです。
受講中はカメラはオフですが、ディスカッション中はカメラをオンにして、チームとしての一体感も少し味わえて嬉しかったです。
まとめ
あらためてWell-Architectedに全て従わなくといけないと、ともすれば思いがちですが、お客様のビジネス環境に合わせて、プランニングと改善を回していく活動であり、枠組みであることを体感しました。
なお、ワークロードを定期的に評価し、リスクの高い問題を特定し、お客さまの環境に最適なレンズを適用して改善を記録するプロセスを構築するには、専門的な知識をもったパートナーを活用していただくのも選択肢の一つです。
SunnyCloudでは、Well-Architectedパートナープログラムの認定を取得しています。お問合せはこちら。