みなさん、こんにちは。サニービュー事業部の小寺です。
今日は、AWS Application Discovery Serviceについて、お伝えします。
先月新しく検出機能が追加になっていますね。
AWS Application Discovery Serviceの概要
AWS Application Discovery Serviceって聞いたことがありますか。
私は何かのAWS認定試験を受けたときに、唯一知らなかったサービスでした笑。
そんなAWS Application Discovery Serviceについて、どのようなサービスなのか簡単に解説します。
まず、AWS Application Discovery Service(以下、ADS)は、AWS Application Discovery Service では、オンプレミスデータセンターに関する情報を収集することにより、エンタープライズのお客様向けに移行プロジェクト計画を支援するサービスです。
AWSへの移行を検討する際に、規模が大きいとどんなサーバやミドルウェアがあるのか一覧化するだけでもかなりの労力がかかります。そんなときに、役に立つのがADSです。
オンプレミス側のサーバの情報を集めてきます。ADS は Migration Hub に統合されており一連の移行プロセス (DISCOVERY~MIGRATE~TRACK) の可視化も行うことができます。
収集されたオンプレミス側のデータは、ADSのデータストアに暗号化形式で保存されます。このデータをCSVファイルとしてエクスポートし、AWS で稼働した場合の総保有コスト (TCO) の見積もりや、AWSへの移行計画に利用することができます。
ADSでのデータの収集方法
どうやってオンプレミスのデータが集まるのか?不思議ですよね。
このデータ収集には2つの方法があります。エージェントベースとエージェントレスベースです。
それぞれの違いについて確認していきましょう。
エージェントベースでは、システム設定、システムパフォーマンス、実行中のプロセス、およびシステム間のネットワーク接続の詳細情報を収集することができます。
2022年9月時点で公開されている情報ベースでのサポートされているOSです。
・Microsoft Windows Server 2008 R1 SP2、2008 R2 SP1、2012 R1、2012 R2、2016、2019
・Amazon Linux 2012.03、2015.03、Amazon Linux 2(2018 年 9 月 25 日更新版以降)
・Ubuntu 12.04、14.04、16.04、18.04、20.04
・Red Hat Enterprise Linux 5.11、6.10、7.3、7.7、8.1、
・CentOS 5.11、6.9、7.3、および SUSE 11 SP4、12 SP5
エージェントレスベースでは、ADSを使用するために、各ホストにソフトウェアをインストールする必要がないことを意味します。
VMware vCenter(ホスト側)にAgentless Collector を OVAとしてインストールすればOKです。
認証情報を使って vCenterに接続するよう設定された Agentless Collectorを使ってVM インベントリ、設定、および CPU、メモリ、ディスク使用率などのパフォーマンス履歴などを収集することができます。
エージェントレスベース(左)とエージェントベース(右)の比較です。
サーバタイプ | ||
---|---|---|
VM仮想サーバ | Yes | Yes |
物理 | No | Yes |
デプロイ | ||
サーバ毎 | No | Yes |
vCenter毎 | Yes | No |
収集されたデータ | ||
Static configuration data | Yes | Yes |
VM utilization metrics | Yes | No |
Time series performance information | No | Yes (Export only) |
Network inbound/outbound connections | No | Yes (Export only) |
Running processes | No | Yes (Export only) |
Supported OS | Any OS running in VMware vCenter V5.5+ | For the list of supported Linux and Windows operating systems, see Prerequisites for Discovery Agent. |
AWS Application Discovery Serviceの特徴
・移行のための確実なオンプレミスデータの収集
サーバーの仕様情報、パフォーマンスデータなど詳細情報が収集されます。
サーバーのホスト名、IP アドレス、MAC アドレス、およびリソースの割り当てや、CPU、ネットワーク、メモリ、ディスクといった主なリソースの使用率の詳細に関する情報が含まれます。この情報は、移行時にAWS リソースのサイズを決定するために使用できます。
・Migration Hubとの統合
AWS Migration Hubと統合されています。移行時の進捗を簡単に追跡することができます。
・暗号化によるデータ保護
AWSへの転送中も保管中も収集されたデータは暗号化によって保護されます。
・Athenaでのデータ調査
Athenaで収集したサーバーの時系列システムパフォーマンス、実行中のプロセスの種類、およびサーバー間のネットワーク等の
データ分析を行うことができます。
データの生データを取得して、自分で手を動かして加工する必要はなく、分析をAWS内で行うことが出来ます。
・移行について、専門家に相談できる
AWS プロフェッショナルサービスとAPN移行パートナーでは、多くのエンタープライズのユーザーがクラウドへの移行を無事に完了するための支援の実績があります。
Application Discovery Serviceで出力されたデータを分析可能な専門的なナレッジがあるので、オンプレミス環境に関しても深く理解し、
お客様にとって適切な移行戦略を提案できます。
・ Application Discovery Service Agentless Collectorが使える
Application Discovery Service Agentless Collectorはユーザーのオンプレミスデータセンターにインストールされた仮想アプライアンスを使用して行われ、
1 回のインストールで数百台のサーバーを監視できます。数分で検出ツールがセットアップできるようになり、アップデートの発表時2022年8月時点では、 VMware 仮想マシンのメタデータ収集がサポートされています。
AWS Application Discovery Serviceはどんなときに活用できる?
ある一定以上の規模の台数があるオンプレからAWSの移行計画を立案するときに活用できます。サーバーの仕様情報、ハードウェア設定、パフォーマンスデータ、実行中のプロセスとネットワーク接続の詳細情報を収集できるので、企業がデータセンターサーバーの現状をスナップショットとして取得できます。ADSで収集されたデータは総保有コスト (TCO) 分析に使用できるので、そもそもAWSを検討されているお客様は、固有のビジネス要件に基づいてコストの最適化された移行プランを作成できます。
料金について
AWS Application Discovery Service は、オンプレミスサーバーの検出と、移行の計画を無料で実行するために使用できます。
課金が発生するのは、オンプレミスデータを保存するためにプロビジョニングされた AWS リソース (例: Amazon S3、Amazon Athena、または Amazon Kinesis Firehose) の料金のみです。使った分だけの料金が請求対象となります。