WorkSpacesはAWSが提供する仮想Windows 10デスクトップサービスですが、通常のPC で利用しているWindowsと異なり、注意したいポイントがあります。

ここではWorkSpacesを利用していく上で、注意したい主なポイントを取り上げていきたいと思います。

WorkSpaces、その正体

具体的なポイントを上げていく前に、そもそもWorkSpacesのOSについて確認したいと思います。

実は、WorkSpacesは正確に言うと、Windows 10ではありません。

その正体はWindows Server 2016にWindows 10 デスクトップエクスペリエンスと呼ばれる、ユーザーインターフェースをはじめとしたWindows 10の機能を提供するプログラムをインストールしたものになります。

言い換えればWorkSpacesは、Windows 10のフリをしたWindows Server 2016となるわけです。

もし、すでにWorkSpacesを利用されている方はシステム情報でOSのエディション を確認してみてください。
そこには”Windows Server 2016 Datacenter”の表示が出ていることでしょう。

WorkSpacesであるがため、実際に注意するポイント

さて、その正体はWindows Server 2016であることが判明したWorkSpacesですが、 実際に注意したい主なポイントを上げていきます。

InternetExplorer(IE)がサーバー仕様

まだまだ、企業内の業務システムや金融機関のサービスを利用するのに、IEのみをサポートをしているものも少なくないと思います。
WorkSpacesのIEはサーバー仕様であるため、標準では「Internet Explorer セキュリティ強化の構成」が有効になっています。
このため、IEでWebサイトを開いていくと都度、警告が表示され信頼済みサイトとして登録していく必要が出てきます。

もし、皆さんの組織のセキュリティポリシーが許すのであれば、セキュリティ強化の構成を無効にするのも一つの手段でしょう。
もちろん、無効にする場合は自己責任で行い、その代わりとなるセキュリティ対策を行ってください。

モニタの数と解像度

WorkSpacesは接続している接続できるモニタは最大4台で、モニタの数で最大解像度が決められています。

モニタ数サポートされる最大解像度
1~23840×2160 ピクセル
3~41920×1200 ピクセル

ただし、グラフィックスバンドルだけはモニタ1台のみに対応しており、最大解像度は 2560×1600 ピクセルになります。

利用可能な周辺機器

WorkSpacesでサポートされる周辺機器は以下のものに限られます。

  • キーボード、マウス、タッチパネル
  • ヘッドフォン/マイクジャック or USBで接続されたヘッドセット
  • スピーカー

プリンターはWorkSpacesクライアントを実行しているPCなどに接続されているものを利用できますが、WorkSpacesから正しく印刷できるかはテストを行う必要があります。

Office 365はインストールできません

最近ではOffice 365を契約して利用されるかとも増えてきていますが、WorkSpacesにOffice 365を利用することはできません。
これはマイクロソフト社のライセンス条項に抵触するためです。
WorkSpacesでOfficeソフトを利用する場合は、パッケージ版のOfficeを購入するか、Office付きのWorkSpacesを利用する必要があります。

一部のAPIやプログラムが利用できません

中身はどこまいってもサーバーOSのため、OSのエディションやバージョンをチェックしているもの、Windows 10 固有のAPIやプログラムを利用するアプリケーションは正常動作しない場合があります。

Microsoftストアが利用できません

普通のやり方ではMicrosoftストアが利用できないため、Microsoftストアで販売/配信されるユニバーサルWindowsプラットフォーム(UWP)アプリが利用できません。
しかしながら、ビジネスでWorkSpacesを利用するのでしたら、それほど大きな影響は無いと思われます。

まとめ

WorkSpacesの正体がWindows Server 2016であることも含め、
注意する主なポイントを取り上げてみました。

しかしながら、ほとんどのものは代替となる方法や対処方法があるので、
それほど心配しなくても大丈夫だと思います。

今回のコラムを参考に、WorkSpacesをビジネスに活用してください。