みなさん、こんにちは。小寺です。
コスト削減にご興味ありますか?リザーブドインスタンスについては、過去ご紹介させていただき、Savings Plansについても第1回シリーズを執筆してから早1年以上。2回目(最終編)をお届けします。
● CloudFront向け~CloudFront Security Savings Bundleプラン~
● Machine Learning Savings Plans for Amazon SageMaker
CloudFront向け~CloudFront Security Savings Bundleプラン~
CloudFront Security Savings Bundleについてご説明します。
CloudFront Security Savings Bundle は、前払いの義務を果たすことによって AWS 請求書の CloudFront 料金を最大 30% 節約できる簡単な方法です。Savings Bundle を購入すると、AWS WAF のクレジットも取得できます。CloudFrontとWAFを組み合わせてご利用されている方でコスト最適化をご検討いただいている方向けです!
Savings Bundleとは
Savings Bundle を購入するには、CloudFront で一貫した月額 (月額ドル) の1年間払いにコミットします。
EC2のSavinsg Plansでは1年間もしくは3年間のコミットですが、ここでは1年間の支払い期間のみです。また、支払い方法について、年間一括払い(AllUpfront)や一部前払い(PartialUpfront)、前払い(NoUpfront)の3つから選ぶのではなく1年間の毎月支払いです。
CloudFront は、コミット金額と合わせて1年間で12回(12カ月の1カ月毎)の請求期間それぞれで、AWS利用料にクレジットを適用する仕組みです。
前回、第1回シリーズでご紹介させていただいたSavings Plansでは、クレジットではなく利用料からマイナスされる仕組みでしたが、「クレジット」として適用されるのがポイントです。
CloudFrontのクレジット最大30%の範囲としては、 CloudFrontのデータ配信量だけではなく、Lambda@Edge を含むすべてのCloudFrontのサービスに適用されます。
AWS WAF を使用するためのリクエストあたりの料金を補うクレジットも提供がされます。AWS WAFクレジットの金額は、最大で CloudFront のコミットメント月額の10% です。
注意点としては、クレジットは使いきれなかったときに、翌月に持ち越すことができません。AWS WAFのクレジットも同様です。
そのため、CloudFront Security Savings Bundleでカバーされる範囲を超える使用は、オンデマンド料金での支払いが必要です。
どうやって購入すれば良いの?
(1)購入するには、AWSマネジメントコンソールで「Savings Bundle」で「購入」をクリックします。
(2)レコメンデーションを確認します。
CloudFrontの利用料を入力して、購入するレコメンデーション金額を確認できます。
Savings BundleについてのFAQ
Q: クレジットはすべてのタイプの CloudFront の使用に適用されますか?
A: はい。クレジットは、データ転送料金、リクエスト料金、Lambda @Edge の料金を含む CloudFront のすべての料金に適用されます。
Q: 一括請求で CloudFront Security Savings Bundle を使用できますか?
A: クレジット共有が有効になっている限り使用できます (これは、AWS Billing and Cost Management コンソールの請求設定ページを表示することで確認できます)。支払いアカウント (管理アカウント) で Savings Bundle を購入します。
クレジットは、最初に支払いアカウントで発生した CloudFront 料金に適用され、次にメンバーアカウントで発生した CloudFront 料金に適用されます。
Q: CloudFront または AWS WAF の使用量がクレジットの量を超えた場合はどうなりますか?
A: CloudFront と AWS WAF の料金は、CloudFront Security Savings Bundle のクレジットによって相殺されます。使用量がその請求期間で利用可能なクレジットを超えた場合は、差額はオンデマンドで支払います。
Machine Learning Savings Plans for Amazon SageMaker
3つ目のSavings Plan となる「Machine Learning Savings Plans for Amazon SageMaker」について、お伝えします。
契約期間は、1年または3年の期間です。一貫したコンピューティング使用量 (USD/時間で測定) をコミットする代わりに、Amazon SageMaker に柔軟な料金モデルを利用することができます。Sage Makerをご利用している方でコスト最適化を検討いただいている方におススメです。
気になるコストについては、最大 64% 削減することができます。
Savings Plan のディスカウント対象となるファミリーは「全て」です。これらのプランは、インスタンスファミリー、サイズ、リージョンに関係なく、以下に分かれています。
・SageMaker Studio Notebook
・SageMaker On-Demand Notebook
・SageMaker Processing
・SageMaker Data Wrangler
・SageMaker Training
・SageMaker Real-Time Inference
・SageMaker Batch Transform
支払い方法は、以下の3つに分かれています。
・前払いなし(No Upfront)
前払いなしは、毎月決まったコミット額を支払う方法です。
1時間あたり10USDをコミットとした場合だと、10USD×24時間×30日で7,200USDを毎月支払います。
1ヵ月が31日の場合は、10USD×24時間×31日なので、7,440USDの支払いですね。割引率は、3つの支払い方法の中では一番低くなります。
・一部前払い(Partial Upfront)
一部前払いは、契約期間である1年または3年間のうち、契約期間分の金額の半額を最初に支払います。
残りの金額を毎月、均等に支払ってきます。
1年契約として、1時間あたり10USDをコミットした場合だと、10USD×24時間×365日÷2=43,800USDを最初に支払います。
残りの43,800USDを12等分し、毎月3,650USD支払います。
割引率は、3つの支払い方法の中では真ん中です。
・全額前払い(All Upfront)
全額前払いは、契約期間である1年または3年間の金額を全て一括で支払います。支払いは利用開始したタイミングで決済されます。
例えば、2022年4月27日に1年間契約で開始すると、1時間あたり10USDコミットした場合だと、10時間×24時間×365日=43,800USDの支払いがその日に発生します。
Machine Learning Savings Plans for Amazon SageMakerのFAQ
Q:Amazon SageMaker Savings Plans を使用した方がよいのはなぜですか?
A:Amazon SageMaker インスタンスの使用量が一定で (USD/時間で測定)、複数の SageMaker コンポーネントを使用している場合、またはテクノロジー設定 (インスタンスファミリー、リージョンなど) が時間の経過とともに変化すると予想される場合、SageMaker Savings Plans により、アプリケーションのニーズや新しいイノベーションに基づいて基盤となるテクノロジー設定を変更する柔軟性をもたらしながら、節約を実現できます。Savings Plans の料金は、手動で変更することなく、対象となるすべての ML インスタンスの使用量に自動的に適用されます。
Q:Amazon SageMaker の Savings Plans は EC2 のCompute Savings Plans とどのように異なりますか?
A:mazon SageMaker の Savings Plans と EC2 の Savings Plans の違いは、適用されるサービスです。SageMaker Savings Plans は、SageMaker ML インスタンスの使用量にのみ適用されます。