こんばんは。小寺です。
今日は「大学・公共機関の研究者の方向け」にクラウドがより利用しやすくなったポイントをお伝えさせていただきます。
競争的研究費って何?
競争的研究費って聞かれたことありますか。私も先月初めて耳にしました。競争的研究費制度なるものがあります。その前に用語の定義をお伝えします。
・「競争的研究費」
大学、研究開発法人、民間企業等(以下、「研究機関」という。)において、府省等の公募により競争的に獲得される経費のうち、研究に係るもの。従来、競争的資金として整理されてきたものを含む。・「配分機関」
競争的研究費の制度を運営し、競争的研究費を研究機関又は研究者に配分する機関。・「資金配分機関」
公募型研究開発に係る業務を行う研究開発法人のうち、科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律(平成20年法律第63号)別表第二に掲げるもの(日本学術振興会、科学技術振興機構、新エネルギー・産業技術総合開発機構、農業・食品産業技術総合研究機構、日本医療研究開発機構)・「直接経費」
競争的研究費により行われる研究を実施するために、研究に直接的に必要なものに対し、競争的研究費を獲得した研究機関又は研究者が使用する経費。・「府省共通研究開発管理システム(e-Rad)」
https://www8.cao.go.jp/cstp/compefund/toitsu_rule_r50524.pdf
競争的研究費を中心として研究開発管理に係る一連のプロセス(応募受付、審査、採択、採択課題管理、成果報告等)をオンライン化する府省横断的なシステム。
競争的研究費制度は、競争的な研究環境を形成し、研究者が多様で独創的な研究に継続的、発展的に取り組む上で基幹的な研究資金制度であり、科学技術・イノベーション基本計画(令和3年3月26日閣議決定)において、「大学、国立研究開発法人等において、省庁等の公募により競争的に獲得される経費のうち、研究に係るもの(競争的資金として整理されていたものを含む)。」と定義されている。
https://www8.cao.go.jp/cstp/compefund/
また、同計画では、「研究者への切れ目ない支援を実現するなど、知の創出と活用を最大化するための競争的研究費改革を進める」としている。
これらを踏まえ、研究者の研究環境の改善等に向けて、研究代表者の人件費及び研究以外の業務代行経費の直接経費による支出を可能とすることや、研究者の事務負担軽減に関する取組みなど、政府として競争的研究費制度の一体的な見直しを進めている。
何となくイメージがついたでしょうか。競争的研究制度は研究を支える上で、公募によるものも含まれています。研究費を使う場合は「 どのような費目で計上するのか ?」という例示もあります。
今回の見直しで何が変わったの?
今までもクラウドを競争的研究費を用いて利用することは可能でした。ただ、使ってよいと明確に示されていなかったことから、本当に「クラウドにも使えるの?」と不安に思われる研究者の方が多かったという背景があるようです。
今回、変更になったのは「競争的研究費における各種事務手続き等に係る統一ルールについて」というものです。具体的には、この中にある「府省共通経費取扱区分表」において、「クラウド利用料」が明確に記載されました。大項目「その他」の中項目「その他(諸経費)」の例示として、「データ・権利等使用料(特許使用料、ライセンス料(ソフトウェアのライセンス使用料を含む)、データベース使用料、クラウド利用料等)」が明記されました!これを受けて、競争的研究費を用いてクラウド利用ができることが明らかになり、どの費目で申請を行えばよいのか明確になっています。
当社で研究者の方が使われている代表的なサービス
全ての研究分野の方とご契約があるわけではないのですが、AWS社のコラムでもご紹介されている仮想サーバ(Amazon
EC2)はよくご利用されています。
きっかけとしては、以下のようなことからクラウド利用をされるケースも多いです。
・PCで解析をしていたけど、速度が遅くて時間がかかる等のパフォーマンスの課題がありAWSご選択
・オンプレミスのサーバをご契約されていたけど、停電で落ちてしまったり、ディスクが拡張できないなどのハード面の制約からAWSをご選択
・研究のため、解析ソフト用に高性能な仮想マシンを一時的に利用されたい。研究が終わればAWSアカウントを停止しておくかご解約、またご契約いただくパターンも。
・オープンキャンパスで高校生向けに1カ月だけ、仮想マシンをご契約してご利用されたい。使いたいときにだけ、自由にご利用できる。
クラウド活用でAWSをご選択される際の購買方法について
サニークラウドでは、AWSから認定を受けたAWSアドバンストティアサービスパートナーとして、1,000以上のプロジェクト以上でAWSを活用いただいています。
ここで、当社での購買方法について3つの選択肢をご紹介させていただきます。全てのプランでどのサービスにどの期間、何円使っているのかご利用されるエンドユーザの方に公開していますので、競争的研究費でクラウド利用をした際に、その研究で生じたクラウドの利用量や費用を示すのに役立ちます。以下はイメージ例です。
また、各研究機関様の書式に合わせた契約書、見積書、納品書のご提供が可能です。
1) AWS利用料前払い型プラン「バウチャープラン」
本バウチャープランでは5万円(税抜き)、10万円(税抜き)の2つのプランをご用意しております。
前払いでAWSクラウドサービスをご利用いただけます。さらに予算計画を立てやすくするために通常は従量課金制のAWS利用料を前払いの固定料金でご利用いただけます。
また、購入いただいた金額を超過しそうな場合、サニークラウドからご連絡をさせていただくフローになっています。
2) 稟議・申請通りに金額変動なく使いたい~定額プラン Sunny Pay FLAT~
定額プラン「Sunny Pay FLAT」と「バウチャープラン」の違いはバウチャープランが「前払い」のプランに対して、定額プラン「Sunny Pay FLAT」は毎月5日に定額で請求書、御見積書、納品書をセットで発行させていただき、毎月お支払いいただくプランです。
基本的には半年以上、長期的にお使いいただく際にお薦めです。サービス毎に決まった費用を設定しているのではなく、最初にご利用されたい構成などをサニークラウドからヒアリングさせていただいた上で、定額の料金を取り決めてご利用をいただきます。
利用サービスを契約するのではなく、クラウドのメリットとして、「自由な構成」としてお使いいただけます。
3) 割引のご提供あり従量課金制~Sunny Pay~
サニークラウドでは一番、契約数が多いサービスです。割引のご提供と従量課金でのご請求となるのが、上記でご紹介させていただいたプランとの違いです。
まとめ
本日は、「競争的研究費における各種事務⼿続き等に係る統⼀ルールについて」の見直しにより競争的研究費の直接経費からクラウド利用料の支出が可能であることが明確化され、よりクラウド推進がしやすくなったポイント、及びクラウド活用の当社事例、購買手続きについてご紹介させていただきました。
AWSには200を超えるサービスがあるため、研究にどのサービスを組み合わせていけば良いのか迷われる場合はぜひ、サニークラウドへお問い合わせくださいませ。
本内容が研究者の皆様の一助となれば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございます。
SunnyCloudを提供する株式会社アイディーエスは政府機関・教育機関・非営利団体を支援するソリューションと経験をもつパートナーとして「AWS 公共部門パートナープログラム」の認定を受けています。